メニュー

第4回大田区地域包括医療・褥瘡研究会

[2018.10.04]

大田区民ホール・アプリコで開催された 大田区地域包括医療・褥瘡研究会に参加しました。

講演I「地域包括」とは何か?正しく理解しよう。地域包括医療は地域医療圏・地域医療計画とは異なる 京浜病院院長 熊谷頼佳先生

医療の標準化、介護へのロボット導入、などにより標準的医療がどこでも受けられる、言い換えると過剰な医療が行われないように管理する。また生活習慣に起因する疾患の発症については企業による管理がより強く求められルであろうとの事で、指導に従わない被保険者には費用面でのペナルティーがされるであろう。などのお話しがありました。

 

講演II 「褥瘡治療における栄養療法ー最近の話題ー」京浜会京浜病院 副院長 志超 顕先生

マラスムス・コワシオルコフは高齢者に認められる。褥瘡治療ではエビデンスレベルの高い(AやB)はほとんど円座を使うことや体圧を分散させる等が示されており守るべき必須事項である。主観的包括的評価(SGA)を使い栄養良好、中等度の栄養不良、高度栄養不良に分類している。予後栄養指数(PNI)アルブミンとリンパ球数を変数に出す指数は褥瘡の発生にも関連する。SGAで栄養不良、PNIが低い褥瘡患者には下記に示す栄養の十分な投与とたんぱく質の投与、さらには微量元素やそのアルギニン、コラーゲンの投与を京浜病院では行っているとの事でした。

褥瘡治療におけるエビデンスでは

推奨度B:基礎エネルギーの1.5倍、必要なたんぱく質の補充、基礎エネルギーを出す式としてはHarrs-bendictが好ましいが、より簡便な体重×25-30で算出する事もある。

特定尾栄養素を補給する亜鉛、アスコルビン酸、アルギニン、L-カルノシン、N-3系脂肪酸、コラーゲン加水分解物などは推奨度C1。亜鉛が欠乏すると味覚が低下し、皮膚炎や創傷治癒の遅延、脱毛が起こる。高齢者では亜鉛が十分取られていることはほとんどないため積極的に補充が必要である。鉄や亜鉛は過熱するおかゆなどになると漏出して減ってしまうのでより積極的に補給が良い。指標とは銅亜鉛比が重要でああり、銅と亜鉛は同じ蛋白で輸送されるため銅だけ補充すると亜鉛が減ってしまうといわれている。ツイントース(ファンケル)などで補充。アルギニン、コラーゲンペプチドの傾向的補充はエビデンスはC1とその効果が確認されつつある。

私も病院でNST(Nutrition Support Team)として病棟を回診していましたが、なかなか栄養を十分にとることができない患者さんがいて、栄養士の先生や看護師たちが苦労していたことを思い出しました。

今回の会ではニュートリノ社が共催でしたので多くの商品が紹介されていました。 

講演III 重症褥瘡の進歩 東京労災病院 林 健先生

マゴット療法、植皮のお話しがありました。

亜鉛欠乏によって生じる開口部・四肢末端の皮膚炎のメカニズムも最近明らかにされたとの事で少しだけご紹介がありました。基本的には接触性皮膚炎だということです。亜鉛欠乏では接触性皮膚炎が起こりやすくなっており、食事などの刺激性の物質が皮膚のKC(ケラチノサイト)に引き起こされた細胞障害性刺激はATP産生を引き起こしこのATPが炎症起因物質として皮膚炎を引き起こす。亜鉛欠乏ではATPの産生が増加しておりこれにはランゲルハンス細胞の関与があり亜鉛が欠乏するとランゲルハンス細胞によるATP産生抑制が低下していることも炎症をじゃっきするとのことでした。

皮弁術の症例がいくつかありました、自転車のサドルで褥瘡ができた人の例が紹介されておりました。関節リウマチではコツの変形で骨棘ができることで褥瘡を起こすこともある。など様々な植皮の手術例が提示されました。

 

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME