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第6回嶺町・田園調布地域包括ケアの会

[2019.02.05]

1月30日 嶺町集会所(嶺町特別出張所)にて開催された第6回嶺町・田園調布地域包括ケアの会に参加してまいりました。

100人以上の方がが参加されており地域を支える医療や介護の専門職の方々と連携を深めることができました。

今回のテーマは「食」についてでした。

講義として荏原病院 栄養課 管理栄養士 林直子先生より「地域で職を支える連携 最後まで口から食べるために」として講義がありました。

荏原病院の栄養課では毎日850食の食事を提供しており、食事の種類は120種類に及ぶとの事でした。やはり高齢化や脳梗塞などによる嚥下機能の低下などにより提供される食事も多岐にわたっているようです。

嚥下調整食と呼ばれる食事はペースト状や刻み食、トロミ食など様々な形態がありますが施設によって名称が異なります。

例えば荏原病院では嚥下調整食2-1は他院ではミキサー食やペースト食と呼ばれております。この為退院したのちご自宅で食事を準備する場合に理解しづらい事が起きてしまいます。現在では嚥下調整食の名称を共通化する必要性が唱えられており0j,1j,ot,2-1,2-2,3,4等の記号で示されております。荏原病院では食種の末尾にこの記号を付ける事で退院後の栄養情報提供がスムーズにいくように工夫されているとの事です。

また動画や写真を使って実際ににどの程度に食材を刻むのか、どの程度のトロミなのかを情報提供する事で文章だけでは伝わりにくい実践的な食支援を行っているとの事です。

確かにパーキンソン病や脳梗塞後で嚥下に障害を抱えている患者様の場合入院中はよくても自宅に帰ってから見様見まねで食事を作るとうまく呑み込めず誤嚥してしまうこともあります。正しい情報をわかりやすく地域の介護職の方々と共有することは非常に有用であると思いました。

これまで在宅医療や外来で拝見している患者様の食事の情報をここまで詳細に情報提供している施設は見受けないので非常に感銘を受けました。

グループディスカッションでは 1人暮らしの比較的ご高齢透析患者様の食事療法を指導する事で良好な経過であった患者様についてご紹介がありました。ここでは介護医療を使って在宅での栄養指導を実践することで患者様ご自身ができる範囲で調理する事で経過が良好であったようです。透析患者様の食事はリン制限、塩分制限、カリウム制限、たんぱく質制限、水分制限など複雑であり我々でも毎日実践しようとするとかなり苦労するものですが、実際の献立を患者様の嗜好や料理の知識に合わせて作成しヘルパーが調理の補助を行うことで、最終的には自立した食生活を行うことができるようになっていました。

栄養士の先生方やヘルパーの方々の知識と熱意が素晴らしいのだと思いました、また患者様も積極的であったこともよい結果につながったのでしょう。

こちらも、ディスカッションでは在宅での栄養士による指導は引き受けてくれる先生方があまりいないのではとのご意見が多数ありました。実際私たちが記入する介護認定の書類には、必要なサービスとして「訪問栄養指導」の欄があるのですが、必要性ありとしてチェックを入れても、実際には人材不足で機能していないようです。これには、行政区によっても温度差があるようで世田谷区は充実しているようですが大田区は残念なようです。

その他誤嚥性肺炎を繰り返してしまう患者様の話が多数出ましたが、食べさせてあげたいが食べると誤嚥するの繰り返しでほんの少し舐める程度で我慢してもらう事が多いようです。しかしながらご家族からすると食べさせてあげたくなるのは心情でどうしても誤嚥性肺炎を繰り返してしまうことが多いようです。かといって胃ろうは昨今実施しない方向になっているようです。

誤嚥性肺炎の予防には嚥下機能の正しい評価と口腔ケアが食事形態調整以外に大変重要です。こちらに関しては歯科医の先生方が在宅訪問歯科診査を行っております。「ねたきり高齢者訪問歯科支援」「在宅高齢者訪問相談」などの事業があり医療保険または介護保険を利用してサービスを受ける事が可能です。調布地域福祉課 歯科衛生士が窓口になっています。

誤嚥性肺炎の予防は永遠のテーマであり、画期的な嚥下機能回復方法が見つからない限り解決できない問題ではないかと思いました。

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